参加メンバー

OSTrain-VR
プロジェクトメンバー

宮崎大学医学部外科学講座宮崎大学医学部付属病院看護部日本オストミー協会宮崎県支部
株式会社エル・エー・ビーオストミーサポートセンター株式会社宮崎県商工観光労働部
企業振興課 食品・メディカル産業推進室

本プロジェクト代表者
からのメッセージ

七島 篤志
宮崎大学医学部外科学講座 教授

 このプロジェクトのスタッフ一同は、ストーマ(人工肛門)を受けるに至った患者やその家族、それに従事する医療者のすべてに向けた世界的な発展を見守りながら、ストーマケア医療の革新への道を歩んでいます。

 最新のVR技術を活用して開発したオストメイトとリハビリテーションプロジェクトは、地理的制約を超えストーマ患者の体験を変革し、彼らのリハビリテーションにおける安心感、理解、そして安易さの提供を円滑にするためのものです。

 地域の蝶の羽ばたきほどの微細な行動が、世界的な改善への波を引き起こすような「バタフライ効果」に期待をよせています。このご寄付を通じて単に資金提供のみならず、皆さんに私たちのストーマケアの革新的な発展の波を生み出すアクションへの参加を願っています。

「-小さな一歩が全世界の患者ケアの改善の波を引き起こす体験をご一緒に-」


児玉 裕子
宮崎大学医学部附属病院看護部
副看護部長

 少子・超高齢化、医療費削減、在宅医療の増加により、看護は病院だけではなく、あらゆる場所で必要とされています。

 私たちは、ストーマの手術を受ける患者さんに、ストーマの写真や模型を用いて説明を行います。

 ケアの内容は今も昔も基本的なことは変わりませんが、在院日数の短縮によるストーマケア習得の難しさや、在宅や施設等で初めてストーマケアに関わるスタッフの方々の不安等、様々な問題があります。

 そこに、今回開発したVRが加わることはとても画期的で、患者さんやご家族をはじめストーマケアを担当するすべての人に役立つものと、大変期待しています。

VRへの想い

私がオストミーの仕事に携わり始めてから40年以上の月日が経ちました。当時は、装具や人工肛門について医療関係者以外の一般の方々にはほとんど知られていませんでした。私自身も知識が乏しく、装具の配達を行うだけの日々でした。しかし、その後装具メーカーでの勤務を通じて多くのオストメイトの方々と出会い、たくさんのことを学ばせていただきました。そして、25年前にオストミー専門の会社を立ち上げ、オストメイトの社会復帰を全力でお手伝いしたいという思いで活動を続けてきました。

しかしながら、社会全体の理解がまだ十分でない中、オストメイトの方々が退院後も装具の貼り替えに不安を抱え、十分なサポートを受けられない状況が続いていました。社会復帰への支援を真剣に試みる中で、食事制限や外出を控える生活、入浴への不安、臭いの問題、さらには大好きな仕事を辞める選択をされるオストメイトの現状を目の当たりにし、自分の力不足や無力さに悔しい思いをすることも多々ありました。

今回のVRプロジェクトのお話をいただいた際、これまでの経験が次々と蘇りました。人工肛門造設術の説明を受けた患者さんが「水道の蛇口のようなものをつけて生きていけるのか」と不安に震えたオストメイトのお姿や、術前・術後のサポートがいかに重要であるかを痛感した日々です。このVRプロジェクトが実現すれば、①いつでも、②どこでも、③何度でも学べる環境を提供でき、在院日数の短縮やストーマケアの練習、ストーマの受容といった社会復帰に向けた大きな課題の解決に繋がると確信しています。

あの頃の悔しさや残念な気持ちを、今度こそ希望に満ちたサポートへと変えたい。このVRプロジェクトは、退院後のオストメイトの社会復帰を大きく後押しし、ご本人の前向きな気持ちを支える貴重なツールになると信じています。また、介護施設でのストーマケアに関する職員の知識不足によるトラブルにも、VR教材を活用することで大きな改善が期待できます。このプロジェクトが、多くの関係者にとって計り知れない貢献をもたらすことを心より応援しています。

どうか、この取り組みが多くの方々に届き、さらなる希望と支援の輪が広がることを願っています。

オストミーサポートセンター株式会社 代表取締役社長 柳田 尚享